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光を求めて
第16章 初デート
駅までの道のりでお店を探すのがいつものおきまりで、今日は焼き鳥を食べることにした。
カウンター5席とテーブル2席の小さな店だったけど、平日なのかテーブル席に座れた。
いつものように優さんはビール、私は酎ハイを頼んで乾杯をする。
優さんは気持ち良いぐらいに一気に飲み干し、プファーとする姿は中年のおじさんで笑いそうになる。

「こうやって彩羽と仕事帰りに飲めるのもあと何回だろうな」

出された串をかぶりつきながら、そんな悲しい事を言う。
今月末には今の現場も終わり次の現場に移る優さんと、こんな風に会うこともなくなる。

「……寂しいですね」

「そうだな。ばったり会って飯食うの楽しみだったのにな」

そんな事言われたら私は勘違いしてしまう。

「あのっ」

「んっ?」

私の勘違いじゃないのか聞きたい。
私が優さんを思っているように、優さんも私を思っているのかと聞きたくて口を開いたけど、本当の私を知ったらきっと好きになっては貰えないと思う自分がいて聞けなかった。


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