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光を求めて
第16章 初デート

「またっ……優さんがいなくなる前に、飲みに行きたいです…」

「そんな事か?いつでもつきあってやるよ。現場が変わっても家はこっちにあるからな。」

「えっ?そうなの?」

思ってもない言葉に身体の力が抜けた。

「言ってなかったか?俺の家はこっちにあるんだ。会社もこっちだからまったく帰って来ないわけじゃない。それに後何年かしたら現場も離れて親父の跡を継ぐだろうし……自由に飛び回れるのは今のうちってことだな」

それは初めて聞く話で、時々帰ってくるという言葉に、どこかほっとした。
今までより会う頻度が少なくなっても全然会えないよりはマシだ。
少し気が楽になった私は、先ほどまでのどんよりとした気持ちも晴れて優さんとの食事を楽しめた。
木曜日ということで、いつもよりお酒を飲んだ私はほろ酔い気分で駅までの道のりを歩く。
夜風に当たりながら、近い駅を恨めしく思いながら一歩一歩を大事に優さんと歩いていた。
駅に到着すると、電車は行ったばかりで次の電車が来るまで待つことになった。
遅い時間に人はいなくて、酔っ払いが数人大声で話しているだけで、あとは誰もいない。


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