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光を求めて
第17章 恋愛初心者
「いつも彩羽が仲良くしてもらってるようで、キミたちと仲良くなってから明るい表情するようになったんだよ。ありがとうね」
出来上がったカクテルをコースターの上に置きながらゲンさんは父のような挨拶をする。
私の父親代わりだと話しているから、ふたりとも違和感なく受け入れてくれた。
「それは私たちのおかげじゃないですよね!東間さん」
意味深に話しをふってくるから、飲みかけのカクテルを吹き出しそうになる。
あからさまな目配せに、もうやめて!と叫びそうになった。
「キミたちのおかげじゃないなら……他に仲良くしてる同僚でも?」
彼女たちの話が優さんだと気がつかないゲンさんは首を傾げる。
さすがに優さんのおかげで毎日が楽しいですとは言えず苦笑いをするしかない。
だけど、上野さんのお節介は止まらない。
「同僚ではないんですよ。東間さんを明るくさせてるのは、ゆ――」
「うわぁぁぁぁぁ」
優さんと名前を出される前に上野さんの口を手で押さえて阻止をした。
私の気持ちが知られていると分かっていても、あからさまに言われるのは恥ずかしい。