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光を求めて
第17章 恋愛初心者
「東間さんってかわいい!本当に乙女なんだから」
上野さんの口を押えている私に峰岸さんは楽しそうに笑う。
それより乙女だと言われ恥ずかしくて、一気に顔が熱くなった。
「こいつが乙女か?」
「はい。恋する乙女です」
ゲンさんの問いに平然と言葉にする峰岸さんの口も押えたいと思っても時はすでに遅し。
全てを理解したゲンさんはニヤニヤと嫌な笑いをする。
「そうかそうか。お前がねぇ~。人に恋の悩みを話せる様になったとは大人になったな」
「さすがゲンさんですね。初めは恋話するのも大変だったんですよ。恥ずかしがって話してくれずに。でも、今は色々と報告相談してくれるので私も上野さんも応援できるのがうれしんです」
ゲンさんの嫌味を素直に受け取った峰岸さんの言葉に、私とゲンさんは驚きと嬉しさが湧き上がる。
「良い友達が出来てよかったな?」
ゲンさんは嬉しそうに笑う。
ずっと私の事を心配してくれていたから心の底から嬉しいのか、目尻に光る物が見えた気がした。
気がついても誰もそれを言葉にする事はない。
上野さんの口から手を離して椅子に座ってカクテルを飲んで一息つく。
これで私の話は終わったと思ったのが間違いだった。