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光を求めて
第17章 恋愛初心者
「信じるなとは言わない。誰も信じられなくなるよりはマシだからな。だけどな、裏切られて傷つくお前を見続けるのも辛いんだよ。傷ついたお前を慰めてやるしかできない」
「そんな事言わないでよ。ゲンさんには救われてる。ゲンさんがいたから今があると思ってる。初めて会ったあの時から……私は救われてる。ゲンさんを信じてよかったと思ってる。ゲンさんだけは間違ってなかったね」
辛そうにするゲンさんに心が痛む。
見ず知らずの私を夏休みだけ傍に置いてくれた。
楓ちゃんの事があって辛いはずなのに、何も言わずに見守ってくれてる。
それだけで有難いと思う。
「ゲンさん、今まで心配かけてごめんね。優さんを好きになって……初めて、今までの自分を後悔した。もし今までの私を優さんが知ったらと思うと怖くなった。どうしてゲンさんの言う事を聞かなかったのかって後悔した。馬鹿だよね。ちゃんと好きな人が現れないと後悔できないなんて、本当に私って馬鹿」
雅也に再会した時でさえ感じなかった後悔。
それだけ優さんに本気だと自分でも感じていた。
「後悔できるならそれでいい。今、お前が考えてる事は不安な要素の一つだろうが……優を信じる事だ。もし彩羽の過去で引くような男なら俺が認めないさ」
いつものように頭をガシガシと撫でまわされ、この話は終わりだと言うように立ち上がった。
出された手を取れば引っ張られ、そのままゲンさんに抱きしめられた。