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光を求めて
第17章 恋愛初心者
「彩羽!やっと前に進めるな。怖がらずに進め!俺がずっと見守ってやるから胸を張って歩き続けろ!」
力強いエールに心が熱くなる。
こんなにも私を思ってくれるゲンさんに少しでも報いたい。
私が心から幸せだよと言えるように前に進もう。
そう心に誓った。
「ありがとう。ゲンさん、私、頑張るね」
最後にゲンさんの背中に腕を回して力を込めた。
少しの間抱き合って離れると、優しい眼差しを向けられていた。
その瞳を見ながら、ずっと見守ってくれているゲンさんに心から感謝する。
ゲンさんに促されて店内に戻ると、テーブルの上にはワインボトルが2本並んでいた。
「ゲンさんが戻ってこないから勝手に出しちゃったわよ」
清香姉さんがワインボトルを振りながら勝手に出したことを告げると、ゲンさんは伝票を見て溜息を付く。
「清香、伝票につけてくれたのはありがたいと思うが……それ一番高いやつだぞ?お前の一か月の給料飛ぶぞ」
「はっ?えっ??飲んじゃたわよ~~」
絶叫する清香姉さんを見ながら上野さんと峰岸さん、高橋さんまでもが持ていたグラスをテーブルの上に置いた。
「ちょっとちょっと!!それはないんじゃない?みんな飲んだんなら連帯責任よ!折半するからね」
「あははははっ。冗談だよ、清香。そんな高いお酒あったら表に置いてないさ」