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光を求めて
第17章 恋愛初心者
上野さんが驚くのも無理はない。
一緒にいる女性は優さんの手を取って触っているからだ。
どういう話の流れでそうなったのか分からないけど、触れられて嫌な顔一つしない優さんの笑顔に苦しくなる。

「ちょっと東間さん、あの女は誰よ!優さんって彼女いなかったんじゃないの?」

興奮する上野さんと違ってどこか冷静な私は、『またか』と諦める癖がついている。
ゲンさんのお墨付きで今度こそは大丈夫だと思っていても、結局はこうなってしまう。

「そう聞いていましたけど……この2週間のうちに進展あったんじゃないですか?」

「はぁ?何でそんなに冷静なのよ。」

「仕方がないじゃないですか、あんな仲が良い場面見せられたら諦めるしか……」

ふたりの姿を見るのも辛くて店側に背を向けて自分の心に蓋をする。
まだ何も始まってはいないし、ただの私の片思いだっただけで酷いことをされたわけではない。
あのキスだって……彼にとっては意味なんてなくて、私一人が舞い上がってしまっただけ。

「彼が誰を好きになるかは彼の自由ですよ。私とは何も始まってなかったんですから」

上野さんたちに言いながら自分に言い聞かせる。
じゃないと惨めて泣いてしまいそうだから。
今度こそは大丈夫、彼は信じられると思っていただけに辛い。


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