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光を求めて
第17章 恋愛初心者
「でも、まだ彼女かどうか分からないんでしょう?ただの友達かもしれませんよ」
峰岸さんが慰めの言葉をかけてくれる。
だけどあんな親密な場面を見せられて友達だなんて考えられなかった。
「もういいですよ。変な期待して裏切られたくないですから……彼とは縁がなかったということなんです。それだけです」
「あれだけ好きだって、頑張るんだって、だからゲンさんに会いに来たんでしょう?それなのにはっきりとしないのに諦めるの?それだけの気持ちで好きだって言ってたわけ?私たちに相談していたわけ?」
私の言葉に怒りを露にした上野さんは声を荒げた。
通り過ぎる人たちは何事かと振り返りながら通り過ぎていく。
「東間さんのそういう所がダメなんだよ。自分の気持ち押し殺して人に合わせて……だから皆近づかないんだよ」
「上野さん、それは言い過ぎですって」
「いいや。この際だからはっきり言わせてもらう」
宥める峰岸さんの手を振り払って上野さんの言葉は続く。
「こっちから喋りかけても必要な事以外は話さない。ランチや飲みに誘っても理由を付けては断る。なのに私たちが楽しそうに話していると羨ましそうに目線を向ける東間さんが大嫌いだった」
流石に面と向かって嫌いだと言われるとショックだった。
今では仲良くしてくれているから余計にその言葉が堪えた。