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光を求めて
第17章 恋愛初心者
「羨ましいならなんで入ってこないのよ。なんで誘った時に入って来ないのよ。入ってこないくせして寂しそうな顔をして、孤独で可哀想でしょうオーラ出して……同情引いてるんじゃないわよ!!」
「同情なんて引いてない!」
「東間さんがそう思ってなくても私たちにはそう見えてたのよ。気を遣えば断って、気を使わなくなれば寂しそうにして……ねぇ、自分から人の輪の中に入ろうとした?自分から何かしようとした?いっつも受け身じゃない?だから恋も上手くいかないのよ!!届く想いだって届かないのよ!」
一気に捲し上げた上野さんは荒い息をしながら、いまだに怒りがおさまらないように私を睨みつけていた。
私は人に胸を張れるような人生を歩んではこなかった。
だけど、何も知らないのに自分の意見ばかり押し付けて欲しくはない。
「私の気持ちも知らないくせに……勝手な事言わないで!!」
「知らないわよ。東間さんが何も言わらないし関わろうとしないから知るわけないじゃない!」
「私だって……私だってみんなと仲良くなりたかったよ。皆と一緒に笑いたかったよ。だけど……だけど……」
「だけど何よ!」
勢いに任せて言いそうになった言葉を飲み込んだ。
名城コーポレーションの社長が父だとは口が裂けても言えず、ここでもまた口を噤むしかなかった。