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光を求めて
第17章 恋愛初心者
「そうやって東間さんは壁を作るのよ。どんなに仲良くなっても最後の一歩を踏み込んでこない。それが寂しいと言ってるの!!」
最後の言葉に顔を上げると、今にも泣き出してしまいそうに顔をクシャクシャにしていた。
「もうまわりくどいんですから。心を開いてくれないから寂しかったって、そう言えばいいじゃないですか?」
上野さんとは対照的ににこやかに微笑んでいる峰岸さんは、上野さんの背中を撫でながら私に視線を向ける。
「上野さんの言葉は、少し前までみんなが思っていた事ですよ。だけど、田所の事あってから東間さんとの距離が縮まったと感じてます。少しずつ心を開いてくれたっていうか……色々と話してくれるになったしランチしたり飲みに行けるようになって、それが私たちは嬉しいんです。ですから優さんの事、心から応援してたんですよ。それなのに直ぐに諦めようとするから上野さん怒っちゃったんです。そうですよね」
峰岸さんに言葉をかけられた上野さんは小さくコクンと頷いた。
「東間さん。今まで何があったのか私たちは分かりません。きっと私たちが思っている以上に色々あったんじゃないかってことぐらいしか分からないんです。でも、私は今の東間さんが好きです。一生懸命恋をする東間さんが可愛く見えて手を貸したくなるんです。年下の私が何を言ってるんだって思うかもしれませんが、そう思ってます」