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光を求めて
第17章 恋愛初心者

「また揉め事か?」

さっきまでバーにいた優さんが真後ろにいた。
上野さんたちとの言い合いに夢中になっていて、真後ろに立たれるまで気がつかなかった。
心の準備もないから返事も出来ずに黙っていると、優さんは私の前に出て上野さんと峰岸さんに低い声で問いかける。

「この子に何か用か?用があるなら俺が聞くが?」

ドスのきいた言葉にふたりとも委縮して震えあがる。
この声を優さんが出す時は怒っている時で、私が絡まれていると勘違いしているのだろう。

「優さん!違うから。彼女たちは友達。ちょっと言い合いしてただけだから」

後ろから優さんの袖を引っ張って誤解を解こうと言葉をかけると、ホッとしたように眉間の皺が消えた。

「ならいいが……これからゲンさんの所か?」

「えっ……えっと……」

優さんが下にいると聞いて出て来たとは言えずに口ごもると、峰岸さんが間に入ってくれる。

「はい。今から行くところなです。一緒に行きませんか?」

いきなり話をされて訝し気に峰岸さんを見る優さんは、一度私の方に視線を投げた。
この女は誰だと聞かれているような気がして説明する。


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