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光を求めて
第17章 恋愛初心者
「同僚の峰岸さんと上野さんです」
「あっ……そのせつはお世話になりました」
紹介された峰岸さんは何かを思い出したかのように深々と頭を下げてお礼を口にする。
何の事がわからない優さんは目を細めて峰岸さんを見ていた。
「えっと、私と東間さんが田所と言い合いをしてる時に助けて貰ったんです」
上野さんの説明に優さんは思い出したように、ああ~と頷いた。
「あの時は本当にありがとうございました。お礼が遅くなってすいません」
「御礼を言われることは何もしていない」
「でも、優さんが来てくれて助かったのは本当ですから。本当にあり――」
「もう、急にいなくならないでよ~」
上野さんがもう一度頭を下げようとした時、さっきまで優さんと一緒にいた女が走ってきて優さんの腕にしがみついてきた。
「ねぇ、聞いてる?いきなり置いて行くなんてひどいじゃない」
一度私に視線を落とした彼女は、私に見せつけるかのように優さんに甘えた。
「悪かったな。何か揉めてるかと思ったが俺の勘違いだったらしい」
「優らしい。困ってる人がいたら放って置くことができなんだから。……そういう所が好きなんだけどね」