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光を求めて
第18章 好きなのに
「彩羽?」
初めて名前を呼ばれ顔を上げると、少し寂しそうに私を見つめる。
その視線がいたたまれなくて視線は反らし、心は優さんを求めているのに拒絶の言葉を口にする。
「ごめ、んなさい。これ以上は……」
「俺に抱かれるのは嫌か?」
拒絶の言葉を口にしても優さんの声は変わらない。
その優しい声音に何もかも忘れて抱かれたいと思う。
抱かれて心も身体も優さんと繋がりたいと強く思う。
だけど今までの私が邪魔をして素直になれなかった。
「ごめんなさい」
「彩羽……俺じゃ、お前の心を癒せないか?あいつの事を忘れさせることはできないのか?」
「あいつ?」
優さんの言葉に顔を向ければ何とも言えない表情をしていた。
その言葉と表情が何を意味するのかと考えていると思いもよらない名前を優さんの口から聞かされた。
「雅也……」
「えっ?どうしてその名前を??」
まさか優さんの口から雅也の名前が出るとは思わず驚きを隠せない。
どうして知っているのか聞いても、私から視線を外し教えてはくれない。