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光を求めて
第18章 好きなのに
「ねぇ、優さん??」
「おっ、おまえが話したんだろうが」
優さんの頬に手を添えて私の方に顔を向けさせると、やっとそんな答えを口にした。
だけど、私は優さんに雅也の事を話したことはない。
もし何かの話しの流れで雅也の話になったとしても、雅也の名前を口にする事は決してない。
「優さんに雅也の事話したことないよ。ねぇ!優さん??」
どうしても腑に落ちなくて食い下がる私に諦めたように教えてくれた。
「ゲンさんには言うなよ」
その一言にゲンさんが犯人かと項垂れる。
勝手に人のプライベートをベラベラ喋らないでとお願いしたのに、その想いは届いていなかった。
「お前と映画に行ったことあったよな。その少し後か……お前が男関係で色々あったと聞いた。だから、その気がないなら気を持たせるようなことはしないでくれと頭を下げられた。もうこれ以上、お前が悲しむ姿は見たくないってな、その時にゲンさんが雅也って名前を出したんだ」
「ゲンさん、そんな事言ってたんだ」
ゲンさんと優さんの間でそう言う話をしていたと知らない私は驚くばかりだった。