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光を求めて
第18章 好きなのに
「ああ。今まで辛いことが多すぎたから、これからは笑顔で幸せになって欲しいとも言ってたな。それが俺だったらと思ったんだが……」
一旦言葉を切った優さんは、一度瞳を閉じて大きく深呼吸をした。
「まだ、お前の中にその男がいるんだろう?だから俺に抱かれるのを拒むんだろう――今もその男が好きなのか?」
震える声に私の心が締め付けられるかのように痛くなる。
改めて雅也の事を聞かれるとどう答えたらいいのか分からない。
もう、何とも思っていないはずだった。
私を2度も裏切った男の事など好きなはずがない。
だけど、優さんの口から雅也の名前が出れば動揺してしまう。
どうして動揺するのか分からない。
分からないけど、優さんに抱かれることを拒む理由はそれではない。
「優さん……本当に、私を抱きたいと思いますか?」
私の言葉に優さんは顔を上げて静かに微笑む。
「お前が望むなら抱きたい。全てを俺のモノにしたい」
偽りのない正直な言葉は私を動かす。
何も知らずに優さんを汚すわけにはいかない。
だけど、もし、全てを知っても私を抱きたいと思うのならと、嫌われ覚悟で全てを話すことにした。