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光を求めて
第18章 好きなのに
「優さんに……聞いて欲しい事があります。そんなに良い話じゃないですけど……優さんには知っていて欲しいから」
私の言葉に少し間を置いた後、分かったと静かに答えてくれた。
そして、お互いに洋服を着て隣り合わせに座った。
いざ話そうとすると怖くて言葉が出てこない。
私の過去を知った優さんがどう思うのかと考えると、覚悟をしたはずでも怖くなって話せなかった。
「何も怖がる必要はない。全て受け止めてやるから話してみろ」
膝の上に置いている手を握ってくれた優さんは、そんな言葉をかけてくれた。
その言葉が私に勇気をくれる。
優さんなら信じて良いとゲンさんも太鼓判を押してくれた人だ。
田所さんとのことも知ってるならと全てを話す。
雅也の事が好きだった事、私は遊びで他に結婚したいと思っている人がいた事、再会してまた好きになったのに何も言わずに私の前から姿を消した事、それから田所さんとの事を話した。
話している間、優さんは何も言わずに聞いてくれた。
「辛かったな」
私の肩を引き寄せ、優しく抱き寄せてくれる。
その優しさにこれから話さなければならない言葉を飲み込みたくなる。
だけど、本当に伝えないといけない事はこれからで、優さんの服を握りしめて一番伝えなければならない事を口にする。