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光を求めて
第18章 好きなのに
「少し時間を置くか」
私が何も話さないでいると優さんが口を開き、その言葉に驚く。
「どうして!」
驚いている私と違って優さんは冷静だった。
「頭を整理したい……お前だってそうだろう?」
「それはっ」
全てを見透かされているようで、咄嗟に視線を逸らした。
そんな私の頭を撫でる手が震えている様に思えて顔をあげると、にっこりと微笑んでくれた。
「別に隠さなくてもいい。それだけ好きだったんだろう?大事だったんだろう?だから許せなくて辛くて……優しくしてくれる大人に縋ったんだろう?」
「軽蔑するでしょう?」
「いや、そういう感情はないな」
はっきりと言葉にする優さんが信じられなくて目を瞠る。
そんな私を見て優さんは笑った。
「そんな顔するなって。お前の話を聞いて軽蔑してないし嫌いにもなってない。ただ、辛い思いをして生きてきたんだなって思ったんだけだ。それだけだ」
優さんはゲンさんみたいに何でもないというように言葉にする。