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光を求めて
第19章 彼の想い

「私に、嫌気とかささないの?」

「はぁ?何だ?それ」

唐突の質問にゲンさんは呆れた声をあげた。

「色々とさ……知らない男とホテルに行って、何度も危ない目にあって、それでも私の習慣は変わらない。……うんざりしない?何度も同じことやる私を叱って、それでも真っ当に生きようとしない私に愛想尽かしたりしないのかなって」

テーブルの上のカクテルグラスをクルクルと回しながら、今思っていることを口にすると、ゲンさんはフンと鼻で笑う。

「簡単に変われるならとっくに止めさせてるさ。けど無理なんだろう?そんなお前に力づくで止めさせてもここ以外でやるだろう。だったら目の届く場所でやられたほうがマシだ。……けどな、彩羽は変わったよ。友達もできたし少しずつ変わってる。それでいい。急に変わらず少しずつ変わって行けばいいんだ」

相変わらずゲンさんは私が欲しい言葉を的確にかけてくれる。
この言葉に何度救われただろう。
私の人生で一番良かったと思える出来事は、ゲンさんと出逢えたこと。
あの時、ゲンさんに声をかけて貰わなければ今頃私はどうなっていたのか……それを思い出す味でもある、このチャーハンは。


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