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光を求めて
第19章 彼の想い

「なんでお客さん一人もこないの?高橋さんや清香姉さんが来ても良い頃だよね」

「ああ、クローズの看板だしてるからな、誰も入ってこないさ」

「はっ??いつの間に」

私の問いに簡単に答えるゲンさんに唖然とする。

「お前がトイレに行った間にクローズにしたんだよ。大事な話だろう?人がいてごちゃごちゃしてたら話にならないだろう」

「そうだけど」

「まぁ、店の事は気にするな。初めから儲けるためにやってる店じゃないしな」

問題ないと笑うゲンさんに申し訳ないと思いながら感謝する。
ゲンさんの言う通り、人が多い中で真面目な話ができるわけもなく、最悪奥の部屋を借りようとも思っていたから有難かった。
店の売り上げの心配もあるけど、今日はゲンさんの気持ちを素直に受け取ろうと思う。

「ありがとう、ゲンさん」

「お前の幸せの為だったらお安い御用だ」

そう言って大きな手で頭を撫でてくれる。
それが嬉しくて笑顔を見せるとゲンさんも優しく微笑み返してくれた。


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