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光を求めて
第19章 彼の想い

「彼は……――優はこないよ」

「えっ?」

驚いて顔を上げると、彼は少し困ったような表情をしていた。

「やっと僕の方を向いてくれたね」

ガラス越しではなく見つめる瞳は以前と変わらず引きこまれそうになる。

「彩羽、ごめんね」

「えっ??」

いきなり謝られて何をどう言って良いのか分からない。
それよりも、どうしてここにいるのかさえも理解できなかった。

「彩羽が僕に会いたくないのは分かってるよ。それだけの事を僕は彩羽にしてしまったんだからね……それでも僕は、優に背中を押されて来てしまった」

「えっ?あのっ、優さんが来ないって……雅也は優さんと知り合いなの?」

混乱した頭で、今一番聞きたいことを言葉にした。

「うん。優とは高校の時からの親友なんだ。僕が一番信頼している男だよ」

雅也の言葉に益々意味が分からなくなる。

「ごめん。急にこんな事言われて混乱するよね。……今まで彩羽が僕に聞きたくても聞けなかったこと、全て話すよ。僕も全てを話す覚悟でここに来たんだから」

そんな事を今更言われても困る。
私の心は優さんに向いているのに、今更現れてそんな事を言うなんて狡い。


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