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光を求めて
第19章 彼の想い

「どうして消えたの?私も雅也が好きだって気がついて……一からやりなおそうと思って帰ったのに雅也いなかった。荷物も何もなくなって初めからそこにいなかったように……」

当時の事を思い出すと心が張り裂けそうになる。
もう一度やり直そうと帰ってきたあの日。
最初から雅也がいなかったように変わり果てた部屋を見た私の絶望を雅也は分かっていない。

「一枚の手紙だけで、また私を捨てたんだよ。今度こそはって思ったのに……どうして……」

「そうだよね。僕は最低なことを二度も彩羽にしてしまった。……父が亡くなって少し経った頃かな?おじ様から連絡があってね。会って話がしたいと言われて会うことになったんだ。きっと彩羽の事を言われると思って覚悟はしていたんだけど……彩羽と別れる条件で会社の負債を全て肩代わりしてくれたと言ったよね。それは今でも継続で話が違うと言われたんだ。約束を違えるのなら、あの時の話は無効だと…今すぐ全てを返せと言われたんだ。父の保険金、所有している土地建物、全てを精算したとしても足りなくてね」

ここに来て、また父なのかと怒りが込み気てくる。


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