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光を求めて
第19章 彼の想い
雅也は殴られた跡を撫でながら笑う。
殴られた痣は今でも痛々しい。

「お前が中途半端な事をするから彩羽が前に進めないんだろうって怒鳴られた。ふるならしっかりとふってやらなきゃ彩羽は今の場所に留まって前に進めないだろうって。そしてこんなことを言うんだ。今でも彩羽はお前を待ってる。他の男に縋りながら心の中でお前の事を今でも待ってるんだ。何理由つけて逃げてるんだ。本当に好きなら家族も捨ててかっさらえってね。僕にはできないと言えば……だったら俺が貰うぞって……俺が貰ったら二度とお前の目に触れさせる気はない。触らせる気もない。お前は彩羽のいない人生で一人で生きていけと言われて、やっと目が覚めたんだ。優は言ったら必ず実行する。僕の中から彩羽を完全に消すことに手を抜かないだろうって分かるから……それだけは嫌だった。遠くからでもいいから見守っていたいと心を見透かされていたんだろうね。最後にね。優は言ったんだ。もし彩羽をさらって行く気があるのなら、母の事は俺がどうにかしてやるって……それを聞いて決心したんだ」

雅也は一度目を伏せ、次に私を真っ直ぐに見つめる。
そして……


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