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光を求めて
第20章 私の未来
「やっぱり……きっとここだと思ったよ」
みんなと楽しくおしゃべりをしていると、扉を開けて入ってきたのは雅也だった。
「ゲンさん。こんな時間に店にいたら叱ってくださいよ。父親でしょう?」
雅也がゲンさんに不満をぶつけると、父親だと言われたゲンさんは照れて頭を掻いていた。
「彩羽もだよ!もう自分ひとりだけの身体じゃないんだから自覚して」
私のふっくらとしたお腹を触りながら雅也も過保護の言葉を口にする。
「分かってるけど……誰もいない家にいるのは嫌なのよ。ここだったらゲンさんもいるし安心でしょ?」
「それはそうだけど……」
「じゃあ、仕事切り上げて帰って来れる?来れないでしょ?」
それを言うと何も言えなくなるのも分かってる。
仕事をしている以上、私とずっと一緒にいてくれるわけではない。
それが分っているから私がmaple‐メイプルにいても許してくれる。
「とりあえず、無理はしないこと。この子になにかあったら一番傷つくのは彩羽なんだからね」
「うん。分かってるよ。誰よりも大事だからね」
そう言いながら両手でお腹を触ると、自然と頬が緩み幸せをかみしめる事ができる。