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光を求めて
第20章 私の未来
「それより、新婚なのに旦那がほとんど家にいないってどうなのよ。雅也くん」
「それは……本当に申し訳なく思ってます」
清香姉さんの言葉に申しわけなく頭を下げると、まぁまぁとゲンさんが中に入ってくれた。
「会社からの辞令なら仕方がないだろう。けど、子供が生まれる前までには戻って来れるんだろう?」
「そう願いたいんですが……今のままで行くと半年ぐらいでしょうか?そうしたら、戻って来れると思うんですけどね」
「半年、ギリギリってところか?」
「そうですね。その為に一日でも早く戻って来られるように休日返上して頑張ってるんですよ」
仕事の話を始めたふたりの会話を聞きながら、半年後には家族三人で一緒に暮らせるんだと思うと嬉しくなる。
「でも、今日は帰ってくる予定なかったよね。明日の夜だったよね」
「急遽本社に呼ばれてね。日曜日には戻ってくる予定だったからそのまま休みを貰ったよ。働き詰めは効率を悪くするからね」
「無理してない?」
「大丈夫だよ。休日返上してるって言ってるけど、休む時は休んでるから心配しないで」
その言葉にホッとする。
仕事の事になると妥協を許さないところがある。
傍にいれば体調の変化など分かるのに、離れている今はそれが無理だから心配してしまう。