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光を求めて
第20章 私の未来
「無理しないでね」
「本当に彩羽は心配性だね」
心配する私に微笑みかける雅也は、私の頭に手を置いて優しく撫でてくれる。
それが心地よくて微笑むと、後ろから清香姉さんが抱きしめてきた。
「彩羽ちゃんがそんな風に笑えるようになるなんて……彩羽ちゃんの青春時代をずっと見てきたから嬉しい」
涙声になりながら喋る清香姉さんを見上げると、薄っすらと涙を浮かべていた。
昔から私を見てきた清香姉さんだから、幸せな私を見て感極まってしまったようだった。
「色々とご心配をおかけしました。でも今は幸せです。本当に愛する人と一緒になれて、子供までできて、今が人生で一番幸せです」
清香姉さんが安心するように、思っている事を言葉にすると清香姉さんは本格的に泣き出してしまった。
それを宥めながら周りを見渡すと、ゲンさんも高橋さんも、昔から私を知っている人たちは涙を堪えていた。
それほどまでに私は皆に心配ばかりかけてきた。
そして見捨てることもなく、ずっと私の幸せを願っていてくれたと思うと、私まで泣けてくる。
「清香姉さ~ん」
感極まった私は清香姉さんに抱き付いて泣いた。
ふたり抱き合って泣いていると、カランとドアが開く音が店内に木霊した。