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光を求めて
第20章 私の未来
「やっぱりな。ここにいると思ったぞ」
呆れた物言いに清香姉さんの胸から顔を上げると、いつものように眉間に皺を寄せて私を睨んでいる優さんがいた。
「どう……して?」
まさかここに来るとは思わず驚いていると、眉間に皺を寄せたまま近づいて私の頭をワシャワシャと撫でてきた。
「なぜ泣いてる?清香姉さんに嫌な事でもされたか??」
「はぁっ??何で私が彩羽ちゃんに嫌なことしなきゃいけないのよ!!」
「この店で彩羽を泣かせる奴はお前以外いないだろう?」
「いつ私が彩羽ちゃんを泣かしたのよ!!お酒飲まないように見張っててやってるんだから感謝されたいぐらいよ!!」
2人の言い合いに流れていた涙 も止まり、いつものように笑う。
「誰も彩羽に嫌な事しないさ。これはうれし泣きだよな」
ゲンさんの言葉に頷いて、事の次第を説明するとやっと納得してくれた。
「それにしても、なんだ?優も戻って来たのか?」
「ええ。雅也が帰るのに俺が残るわけがないでしょ」
それが当然の様に言い放った優さんは、私の横に座っていた清香姉さんを追いやって座った。
そしてみんながやったように私のウーロン茶に口をつけてアルコールが入っていない事を確認すると安心したかのように、やっと眉間の皺が消えた。
と思ったけど、雅也の一言で優さんはまた眉間に皺を寄せることになる。