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光を求めて
第20章 私の未来
―…
――…
―――…
「雅也……」
「どうしたの?」
「んっ、好きッ!大好きっ」
「急にどうしたの?」
寝起きで好きだというものだから雅也は照れながら、それでもギュッと私を暖かな腕で包み込んでくれる。
「目が覚めて雅也が隣にいるって幸せだなって、こういうのいいね」
「可愛い事言ってくれるね。」
「だって、夢の様なんだもん」
そう言葉にすると一瞬にして雅也の表情は曇り光を無くす。
「ごっごめん。そんなつもりで言ったんじゃないから」
「うん。分かってるよ。僕のほうこそごめんね」
分かっていると言いながら雅也の表情が晴れる事はない。
全てを知ったあの日、私は雅也を受け入れ結ばれた。
ずっと私の事を愛していたことに感動すら覚え、優さんへの愛情は跡形もなく消えた。
それ程までに雅也の私への愛情は深く、抱かれている間幸せな時を過ごすことが出来た。
叶わないと思っていた雅也との幸せな未来。
ずっとそれだけを願っていたあの時の願いが叶った事に、雅也に抱かれながら泣いた。