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光を求めて
第20章 私の未来
「そう言えば、昨日、優と会ったよ」
その一言に心がチクッと痛んだ。
今に始まった事ではない。
雅也の口から優さんの名前を出されるたびに心はチクリと痛みだす。
「優さん……元気だった?」
「うん。僕と彩羽が仲良くやってるって知って喜んでたよ」
喜んでいた。
私が他の男に抱かれていても平気なんだと少し悲しくなった。
「……そうなんだ」
「一緒にいた女の人、きれいだったな」
「女の人???」
私の言葉に、雅也は目を細めて笑う。
「そうだよ。とてもきれいな人だったよ。腕を組まれて嫌そうに文句を言ってたけど、まんざらでもなさそうな表情だったかな?」
雅也はその光景を思い出しているのか口角を上げて笑い、それとは正反対に私の口角は下がる。
「今度の金曜日にごはんを食べようって事になったんだ。もちろん彩羽は大丈夫だよね」
にっこりと微笑んで私に確認する雅也は、何もかも見透かしているようで嫌だとは言えなかった。
それから雅也は優さんのことを色々と教えてくれた。
一緒にいた人の話は心が痛むけど、今の優さんのことを知れてうれしかった――