この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
光を求めて
第20章 私の未来
「ずっと好きな人が僕にはいるんだ」
手紙を読み終わり涙を流していると、背中の方で優さんの声が聞こえた。
振り向くと優さんは身体を起こして寂しそうに微笑んでいた。
「僕が彼女を作らないわけを知りたがっていたよね。僕には忘れられない人がいるんだ。だけど一番酷いやりかたで傷つけてしまった。僕が幸せにしたいけど、それは無理なんだ。だから優にお願いがあるんだ。……そう雅也は俺に言ったんだ」
おいでと言われてベッドにあがると後ろから抱きしめられた。
そこから伝わる温かさにしがみつく。
「傍にいて見守ってあげたいけど、僕にはそれが無理だから傍にいて見守って欲しいって頼まれた。普段は人に頼みごとをしない奴だったから軽い気持ちで引き受けた。他の男とホテルに行く姿を見て、この女なにやってんだって、雅也に心配させて何考えてるんだって腹がたった。それでも辛そうな表情や、無理して笑う姿を見て気になりだしたのも事実だった。けど、お前は雅也が好きな女だ。ふたりの間に何があったのか知らないが、俺が入って良い領分じゃないと姿を見せるつもりはなかった。だからあの時に助けたのも本当に偶然だったんだ」
優さんの言葉で思い出すのは、最低な出会い。
あの時、助けてもらっていなければ、今のこの瞬間はなかった。