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光を求めて
第20章 私の未来
優さんの気持ちが痛い程伝わってくる。
お互いが本当の友人だと認めているから大事なモノを託す覚悟。
それは生半可な覚悟じゃなかったと女の私でさえ感じた。
「雅也とお前が話している間、ひとりでいるのが辛すぎてゲンさんを呼び出して酒を煽ってクダを巻いてたよ。ゲンさんは何も言わずに、今の若者は不器用すぎると一言つぶやいてたな」
あの時、ゲンさんは慌てて店を飛び出して行った。
あれは優さんからの呼び出しで、ある程度の事の顛末を理解していたんだろう。
だから私と雅也より優さんを優先した。
「好きな女が他の男の腕の中にいるかと思うと虚しくて……酒を飲む日が多くなった。けど、こんな思いを十数年も続けて来たんだと思うと、それが報われたあいつの心にホッとしたのも事実なんだ」
そうやって笑う優さんは私を強く抱きしめた。
私も不器用で自分の気持ちを素直に出せない人間だと思う。
だけど、優さんも雅也も私以上に不器用で、人のために身を引く優さを持ち合わせていて、そして強い男だった。
お互いが本当の友人だと認めているから大事なモノを託す覚悟。
それは生半可な覚悟じゃなかったと女の私でさえ感じた。
「雅也とお前が話している間、ひとりでいるのが辛すぎてゲンさんを呼び出して酒を煽ってクダを巻いてたよ。ゲンさんは何も言わずに、今の若者は不器用すぎると一言つぶやいてたな」
あの時、ゲンさんは慌てて店を飛び出して行った。
あれは優さんからの呼び出しで、ある程度の事の顛末を理解していたんだろう。
だから私と雅也より優さんを優先した。
「好きな女が他の男の腕の中にいるかと思うと虚しくて……酒を飲む日が多くなった。けど、こんな思いを十数年も続けて来たんだと思うと、それが報われたあいつの心にホッとしたのも事実なんだ」
そうやって笑う優さんは私を強く抱きしめた。
私も不器用で自分の気持ちを素直に出せない人間だと思う。
だけど、優さんも雅也も私以上に不器用で、人のために身を引く優さを持ち合わせていて、そして強い男だった。