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光を求めて
第21章 繋り
「んっ?先約がいるね」
急に立ち止まった雅也は目を細め見る先には、4人の人影が確認できる。
「おじ様、社長だったんだから当然じゃないの?あの人たちが終わってから行く?」
「いや、会社の人たちだったら僕も挨拶したいから行ってもいいかな?」
もちろんと頷き、足を進めると人影をはっきりと見えてくる。
「母さん???」
女性の後ろ姿を見て雅也は口にする。
おじ様の命日ならおば様がいてもおかしくはない。
おば様ならと足を進めると、一緒にいる人物が誰なのかはっきりと見えてくる。
「おじ様?」
「お父様?」
私と雅也の声が重なり、その声に気がついた父は振り返り驚いた表情を見せた。
私も、こんなところで会うとは思わず言葉を失った。
それに、言葉を失ったのは父がいるからではない。
父の横に立っている人が振り返った瞬間、父がいたことより大きな衝撃だった。
「彩羽……」
父が弱々しい声で私の名前を呼び、はっと我に返った。
父と会うのはあの日以来で、今更会いたくはなかった。