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光を求めて
第21章 繋り

「お腹が大きくなって……体調は大丈夫なの?大変な事はない?」

躊躇しながらも私に近づき、大きく膨らんだお腹を触ろうとした母の手を払い除けると、パシッという乾いた音だけが響き渡った。
手を払い除けられた母はその手を擦りながら今にも泣き出してしまいそうに表情を歪め、その母を庇うかのように父が母の肩を抱き寄せた。

「お前が憎んでいるのは私だろう?母さんは何も悪くないんだ、だから母さんに当たるんじゃない」

父が母を擁護する。
その姿をみているだけでイライラする。

「お父様がやったことを知りながら何もしなかった。私が苦しんで泣くのを分かっていながら止めなかった。それが関係ないっていうの?どうしてお父様を止めてくれなかったのよ。どうして私の味方をしてくれなかったのよ!!」

「母さんは止めたよ。彩羽を思うのなら苦労しても一番好きな人と一緒にとな」

「でも結局は何もしなかった。お父様と一緒に私を地獄に突き落とした。そんな人が今更母親顔しないで!」

感情的になり、酷い言葉だと分かっていても思っている言葉を吐き捨てる。
吐き出したところで私のイライラがおさまるわけでもない。
それどころか、母の肩を抱いて大事そうにする父を見てイライラが増す。
二度と関わり合うつもりもなかった両親……顔を見ているだけでも気分が悪くなる。


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