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光を求めて
第21章 繋り
「雅也、ごめん。今度改めてお墓参りにくるね。――優さん行こう!!ここにいたら気分が悪くなる」
興奮して本当に気分が悪くなりそうで、雅也に一言だけ謝って帰ろうとした。
だけど優さんの腕を取って帰ろうと言うと、優さんは静かに首を横にふった。
「優さん?」
「良い機会だ。少し話をしてみたらどうだ?それに俺だって挨拶をしたい。」
「何、言ってるの?」
「言葉の通りだ。彩羽と結婚して未だに挨拶もできていない。大切な娘を嫁に貰ったんだ、挨拶は必要だろう?」
優さんの言っている意味が分からず聞き返せば、優さんは平然とそんなことを口にした。
「大切な娘って……この人たちが私に何をしたか知ってるでしょう?」
「ああ、知ってるさ。それでも俺はお前を嫁に貰った以上、挨拶をする必要があるんだ」
必要だと言われても私には理解ができなかった。
この人たちを親とは認めていない私にとって、挨拶するに値しない。
「必要なんてない!!親でも子でもないんだから優さんが挨拶をする必要なんてない!!」
そう声を荒げても、優さんが私の気持ちを汲み取ってくれる事はなかった。