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光を求めて
第3章 ゲンさんとの出逢い
「うちの娘をどこに連れ込もうとしてるんだ?」
娘だと言われ、見つかってしまった事への絶望に、握りしめている手に力が籠る。
私を店に連れて行こうとした男は面倒そうな顔をして、私の後ろの人物を見ていた。
「この子はまだ未成年だ。大事(おおごと)にしたくなければその子を返してくれ。そうすれば見なかったことにしよう」
頭の上からふってくるこ声に違和感を覚えながらも、見つかってしまったと思う気持ちが大きくて違和感を見逃していた。
「大事にって、補導員に掴まったらやばいかと思って保護したまでですよ。感謝されても文句を言われる筋合いはない。ですがお父上が迎えに来られたのなら私が出る幕ではありませんね」
「そうか、それはありがとう。では失礼」
ふたりの間で会話は終了し、男は私を置いて到着したエレベーターに乗って消えた。
私は父に手を引かれ抵抗することもできずに繁華街を歩いた。
引きずられるように歩く姿に振り向く人がいても助けてくれる人はいない。
それがこの街の夜の姿。
何も話さず先に進む父を恐る恐る見上げて息が詰まる。
「あっ、あのっ」
「黙ってついてきなさい!!」
「えっ、でもっ」