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光を求めて
第3章 ゲンさんとの出逢い
何かを話そうとしても父と名乗った男は強く私を咎め、握る手に力を入れて引き寄せる。
そう……
父と名乗った男は私の父ではなく知らない男だった。
「このまま警察にいきたくなければそのまま歩け。悪いようにはしない」
真っ直ぐに前を見ながら言葉にする男は、歩調を緩めるでもなく突き進む。
どこに連れていかれるのかと不安に思っていると、連れて行かれた場所はいつも時間をつぶしては男を探していた駅前だった。
「お金を持っているのか?」
噴水の淵に座らされ、聞かれた言葉に首を横に振った。
「まったく……これで家に帰れ。お前みたいな子供がここにいて良い場所じゃない。痛い目見る前にさっさと帰れ!」
目の前に差し出された1万円に驚いて顔を上げると、男は私を諭すように言葉にする。
「世の中には親切な大人ばかりじゃない。家出少女を助けるフリをして食い物にする輩もいるんだ。さっきの奴もそのグループのひとりだ。あの店に入って何をされるか……お前が思っている以上にヤバイところだ。――分かったら帰れ。二度と夜にウロウロするな」
無理やり一万円札を握らされ、その男は私に背を向けて歩き出した。
そう……
父と名乗った男は私の父ではなく知らない男だった。
「このまま警察にいきたくなければそのまま歩け。悪いようにはしない」
真っ直ぐに前を見ながら言葉にする男は、歩調を緩めるでもなく突き進む。
どこに連れていかれるのかと不安に思っていると、連れて行かれた場所はいつも時間をつぶしては男を探していた駅前だった。
「お金を持っているのか?」
噴水の淵に座らされ、聞かれた言葉に首を横に振った。
「まったく……これで家に帰れ。お前みたいな子供がここにいて良い場所じゃない。痛い目見る前にさっさと帰れ!」
目の前に差し出された1万円に驚いて顔を上げると、男は私を諭すように言葉にする。
「世の中には親切な大人ばかりじゃない。家出少女を助けるフリをして食い物にする輩もいるんだ。さっきの奴もそのグループのひとりだ。あの店に入って何をされるか……お前が思っている以上にヤバイところだ。――分かったら帰れ。二度と夜にウロウロするな」
無理やり一万円札を握らされ、その男は私に背を向けて歩き出した。