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光を求めて
第21章 繋り
「良い人をみつけたな」
そんな私たちのやりとりを黙って見ていた父が言葉をかけ、今の現状を思い出した。
「雅也くんの言う通り、彩羽が誰と未来を共にするのか、それを決めるのは私たちではなかった。よかれと思った事でも彩羽には苦痛だったんだな」
「今更っ!!」
おさまっていたイライラも父の言葉に膨れ上がる。
「そうだな。何を言っても今更だな。私たちがお前にしてきたことは消えてなくなるわけではない」
「そうよ!一生残り続けてるんだから。だから私は許さない。あなたたちを親とは認めないし関わって欲しくもない!!」
怒りを露にする私と違って父は辛そうな表情をする。
今更そんな表情をされても許すことはできない。
「彩羽……」
「優さんは黙ってて。これだけは優さんでも譲れない」
今まで良い雰囲気だったのに、私は優さんに冷たい言葉を投げかけた。
そんな私に穏やかに話す優さん。
「ああ。もう何も言わないさ。それより興奮するな。お腹の中の子供に影響するだろう」
優さんは大きなお腹を擦りながら私を落ち着けてくれる。
「……そうだね。この子の為にも落ち着かないとね」
何度か深呼吸をして気分を落ち着かせる。
だけど目の前にふたりがいる限り完全に心が落ち着くことはなかった。