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光を求めて
第21章 繋り

「で?名前は決めたのか?」

陣痛が始まって10時間、無事に元気な女の子を出産した。
その女の子が私の腕の中でスヤスヤと眠っていて母親になれた喜びと、元気にこの世に生まれて来てくれた事に感謝の気持ちで胸がいっぱいだった。
両親とはあれっきりで会ってもいないし連絡もとっていない。
だから付き添ってくれたのは父親代わりのゲンさん。
優さんの次にゲンさんに抱いてもらうと、瞳に薄っすらと涙を浮かべ何度も何度もよかったなと自分の事の様に喜んでくれた。

「名前は優さんにお願いしてるんだけど、決めてくれた?」

そう聞けば、眉を潜めて苦笑い。
決めてないんだと睨むと、子供の名前を決めるのは難しいんだと不貞腐れた。
だから未だにななしのごんべちゃんの愛娘。
幸せになれるような名前にしたいと優さんに催促している。
そんな風に和気あいあいと楽しく談笑しているとドアがノックされた。

「はい。どうぞ!」

と声をかけても誰も入ってはこない。
動けない私は優さんにお願いしてドアを開けてもらった。
そして顔を出したのは父と母だった。


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