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光を求めて
第21章 繋り
「せっかく来たんですから抱いてあげてください」
優さんの言葉に言葉も出ない。
これだけ私が嫌がっているのに、この子を抱かせようとする優さんの神経が分からなかった。
「でもっ」
「私たちがその子を抱くのを彩羽が許さないだろう」
渋る両親に優さんは尚も言葉を続ける。
「それでも……俺はお義父さんとお義母さんに抱いて祝福してほしいんです。この子は色々な人の命の繋がりで生まれて来ました。生きる事ができなかった人の分まで……その命をみんなで祝ってあげたいんです」
優さんの言葉は私には理解できなかった。
両親から私は生まれ、そしてこの子が産まれた。
だからと言って、こんな人たちに可愛い我が子を触らせたくはない。
「嫌よ!!こんな人たちに抱かせるつもりはないんだから!!」
「彩羽、お前の気持ちは分かるが家族から祝福されるのがこの子の為だ」
「こんな人、家族だなんて思ってない。だから嫌!!」
嫌がる私の腕から愛娘を奪い取った優さんは父に渡し、父は大切そうに愛娘を抱いた。
その横では愛娘の手を握る母は涙を流していた。
そんな姿を見ても私は愛娘を抱かれるのが嫌だとしか感じない。