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光を求めて
第21章 繋り
「キミと彩羽が関わっていなければ私も墓場まで持って行くつもりだった。だが出会ってしまった……そしてキミが彩羽の子供を抱く姿を想像したら全てを話すべきだと覚悟を決めたよ」
「俺の……俺のせいなんですか?俺のせいで彩羽を苦しめるんですか?」
ゲンさんは苦し気に心の内を吐き出し、父にしがみつく。
「俺があの時、彩羽を手元に置いたことが間違いだったんですか??あの時、声をかけたのが間違いだったんですか?俺が彩羽と出逢ったばかりに……彩羽を苦しめるんですか?」
ゲンさんの口から後悔の言葉が吐き出された。
それは、今までの全てを否定されているようで寂しかった。
「ゲンさん、私はゲンさんに出会えてよかったよ。あの時、助けてもらわなかったらこんな幸せな時を過ごすことなんてできなかった。だから後悔しないで、私とゲンさんが過ごしてきた時を後悔しないで」
「彩羽……」
ゲンさんの掌に手を重ねると、ゲンさんの震えが伝わってきた。
何に怯えて後悔しているのか見当もつかない。
ただ、良い話ではない事だけは確かで、そこに私が関わっている事だけは分かる。
それでも、私と一緒に居た時を後悔してほしくはない。