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光を求めて
第22章 光に向かって
「彩楓、じーじ達だぞ」
優が彩楓に話しかければ、今までぐずっていた彩楓は満面な笑顔を浮かべた。
「じーじのところ、いくっ」
地面の上に降ろすと、拙い足で一歩一歩進んでいく。
その姿を見ながら目頭が熱くなる。
楓ちゃんによって生かされた私が繋いだ命。
それは楓ちゃんが生きていたという証で、忘れてはならない事実。
「おっ!やっと来たかっ。彩楓!おいで!!」
そう言って彩楓に駆け寄ってくれたのはゲンさん。
ゲンさんに抱きかかえられ天高く上げられれば彩楓は楽しそうにはしゃぐ。
「ゲンじーじ、ちゅきっ」
ほっぺにキスをされると、デレデレな顔をするのはどこをどうみても本当のおじいちゃん。
「彩楓!私……ひさじーじの事は?」
「ひさじーじも、ちゅきっ」
ゲンさんの腕の中から身を乗り出してひさじーじ……父にキスをする。
ふたりとも鼻の下を伸ばしてみっともないと思いながら、彩楓を可愛がってくれるふたりに自然と笑みがこぼれた。
「ほらっ。ゲンじーじじゃなくて、ひさじーじの所においで」
「ひさじーじよりゲンじーじの方がいいよなぁ?」
「何言ってるんだ?彩楓は私の孫だぞ?」
「だから何だ?俺は彩羽の父親代わりだ。その彩羽の子供なら俺の孫同然だ」