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光を求めて
第22章 光に向かって
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私と楓ちゃんが8歳になった年。
いつものように私たちは遊んでいた。
ブロンドの長い髪の毛のお人形を持ってのおままごと。
楓ちゃんのお人形さんがカエちゃん。
私のお人形さんがイロちゃん。
私たちと同じで仲の良い姉妹と言う設定で遊んでいた。
『ねぇ、彩羽ちゃん。楓の髪伸びたと思わない?』
『うん。すごく伸びたね。ショートも似合ってたけど伸ばした楓ちゃんも可愛い』
『髪の長さも同じだからパパたち騙せるよね』
『あっ!またやっちゃう?』
そう言ってお互いの洋服を交換した。
楓ちゃんはホットパンツなどのカッコイイ洋服を好み、私はフリフリとした可愛らしい洋服を好み、お互いの洋服を交換して父たちを騙すのが楽しかった。
だけど、楓ちゃんがショートカットの時は洋服を変えてもバレていたのは知っていた。
だから楓ちゃんと私の髪の毛が同じぐらいになった時、絶対にバレないよねと、いつもみたいに洋服を交換して初めて父たちを驚かせた。
それだけ似ていたんだと思う。
騙せた嬉しさに父の目を盗んで外に遊びに行った。
近所の人たちも私を楓ちゃんと思い、楓ちゃんを私だと思い騙される姿が楽しかった。