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光を求めて
第22章 光に向かって
それで納得がいく。
儲けを第一にしないゲンさんの商売。
いつも潰れないかとヒヤヒヤするほど勝手気ままにやってこれたのは父のおかげ。
父がゲンさんの為に施した償い。

「だけど!!それだけで許されるの?お父様が顧客名簿を素直に渡していたら楓ちゃんは助かったんだよ。お父様が楓ちゃんを殺したものじゃない!!」

私の怒りは父に向いた。
私の時は私の心より会社取った。
それ以上にやってはいけない事。
人の命より会社を取った父が許せなかった。

「彩羽。お前の気持ちは良くわかる。それでも顧客名簿を渡せないと言葉にしながらも名城さんは悩んでいた。犯人から連絡がある3日間寝ずに考えていたんだ。お金で解決するならばと本当に2億円用意してくれた。そして切りきざまれた洋服を見て顧客名簿を渡す決断と10億を用意してくれたんだ」

「それでも!!最初に顧客名簿を渡していたら――」

「それは分からないだ。身代金誘拐で無事に解放されるのは半分以下だ。後の半分は殺害される。だから犯人の要求に答えたとしても楓が戻ってくる確率は低かった。それに、俺がミスを犯したんだ……俺は警察官なのにな、一番やってはならないミスをしたんだ」

ゲンさんに非があるとはどうしても思えなかった。

「どういうこと?」


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