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光を求めて
第22章 光に向かって
「名城さん、あなたも辛かったんでしょ?だから彩羽に厳しくなった。違いますか?」
「それはっ」
ゲンさんの言葉に父は私に視線を向け、そして俯いた。
「俺は名城さんが彩羽にしてきたことが憎くてやったことだとは思ってはいませんよ。彩羽に運転手をつけたのだって誘拐を恐れたからでしょう?楓の様に誘拐されて殺されないように」
ゲンさんの言う通り、私に運転手がついたのは小学校2年になってすぐの頃だった。
ショックで楓ちゃんの事を全て忘れてしまっていたけど、話を聞いている限りゲンさんの考えは間違っていないと思う。
「だけど、だったらどうして私に冷たく当たるようになったんですか?幼い頃は、厳しくてもやさしかった、私をちゃんと見てくれた。そんなお父様が私は好きだったのに……いつの間にか私にだけ冷たい態度をって遠ざけるようになって、お父様に気にいられるように頑張ってもお父様は私を見てはくれなかった、それが辛かった」
「彩羽」
それでも、一度は和解をした。
私は嫌われていないと、父なりの愛情だったのだと分かった。
分かっても……