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第3章 ゲンさんとの出逢い

だけど男は何かを体の上にかけて何もせずに出て行った。
カタンと扉が閉まる音が聞こえゆっくりと瞼を開くと、私にかけられたのは薄手のタオルケットで、そしてテーブルの上にはラップがかかったおにぎりが置いてあった。
予想外の事に、男のしたいことの意味がわからず困惑する。
もしかしたら優しいふりをして痛めつけるとか？
もしかしたらやくざとかに売り飛ばされるとか？？
意味もわからない行動に変な想像しかできなくて、ますます怖くなった。
かけられたタオルケットに包まっていると、ドアが開き男が顔を出した。

「起きてたか。暑かったら冷房を入れていいからな。のどが乾いたら冷蔵庫の中の物も勝手に飲んでいいぞ。それとお腹がすいてるならおにぎりでも食え。お腹が満たされればぐっすり眠れるだろうさっ」

男は言いたいことを並べ、部屋の隅から何かをもって立ち去ろうとする。

「あのっ」

意味が分からず声を上げると、男は私のもとに来て腰を折って同じ目線になり頭に手を置いた。

「とりあえず今日はゆっくり寝ろ。話は起きてからだ」

優しく微笑む姿は私を犯すようには見えなかった。
だけど……