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光を求めて
第3章 ゲンさんとの出逢い

「どうした?」

「泊めてもらったお礼」

ゲンさんからスポンジを奪い取り黙ってコップや皿を洗いだした。

「そりゃぁ、ありがたいねぇ~」

私の頭を子供みたいに撫でた後は、カウンターの椅子に座り煙草を口に咥えてコップを洗う私を見ていた。
そんなにじっと見られたら調子が狂うと思っていると、案の定手を滑らせてシンク内にコップを落としてしまった。
幸いにも割れることはなかったけど、少し視線を上げてゲンさんを見ると、バーカと唇を動かしていた。

「むかつく」

「はいはい。そりゃど~も」

動じずに返してくる言葉にむかつきながらも片付けを続けた。
シンクにあった全てを洗い終わると次は店内の掃除が始まった。
イスをテーブルの上に置いて掃除機をかけ、イスを降ろすとテーブルを拭いて一通りの掃除が完了する。
その他にも買い出しや軽食の準備などでゆっくりしている暇はないという。
だけど、今日は手伝ってくれて助かったと言われ、私でも人の役に立てる事が分かりうれしかった。


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