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第3章 ゲンさんとの出逢い

会いたいけど会えない本当の娘。
娘さんはどう思っているんだろう。
自分の想いを重ね合わせながら複雑な気分になっていた。

「彩羽。明日のお昼は外に食べに行くぞ」

「えっ？」

「最後だからな。たまには外で食べるのもいいだろう」

ゲンさんの一言で外に食べに行くことになり、少しおしゃれをしてでかけた。
ゲンさんの腕にしがみつくと渋い表情をみせるけど振りほどかれることはない。

「パパとのデート楽しみっ」

わざとパパと呼ぶと顔を真っ赤にして顔を背け、その姿が可笑しくてずっと腕をつないでパパと連呼していた。
色々なお店に入り、ゲンさんの服を探したりと親子みたいな時間を過ごし、とても楽しい時間を送ることができた。
父とはこんな風に買い物に行くこともなかったし、外で腕を歩くこともなかった。
というよりも堅物な父とでかけたこともなかったし、出掛けたいとも思わなかった。