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光を求めて
第3章 ゲンさんとの出逢い
少し遅めのランチはパスタの美味しいお店で、それぞれが違うものを選びシェアして食べた。
私がパスタを頬張っていると、ゲンさんは頬杖をついて私を眺めていた。
「何?顔に何かついてる?」
「いや……娘がいたらこんな感じで過ごしてたのかなと思ってな。叶わぬ夢だか……いいもんだな」
「私もこんなパパがいたら……こんな風にならなかったかな」
お互いにないものねだりだと分かっている。
それでも思ってしまう。
ゲンさんは娘さんが近くにいたならばと。
私は父がもっと私の事を考えてくれていたならばと。
思っても仕方がない事だと分かっていても、寂しい現実に戻らなければならない私たちは、今のこの瞬間を手離しがたかった。
食事が終わり、何も話さず公園に足を運んだ。
カップルが多い中、時間を惜しむかのようにゆっくりと歩く。
「喉がかわいたな。飲み物買ってくるから待ってろ」
ゲンさんはそれだけ告げると自販機のある方へ歩いて行き、私は言われた通り近くのベンチに座って待つことにした。
流れゆく雲をボーッと見ながらゲンさんを待っていた。
だけど私に声をかけてきたのはゲンさんじゃなく、私が良く知っている人。
会いたくなくて逃げ回っていたその人が目の前に現れた。
私がパスタを頬張っていると、ゲンさんは頬杖をついて私を眺めていた。
「何?顔に何かついてる?」
「いや……娘がいたらこんな感じで過ごしてたのかなと思ってな。叶わぬ夢だか……いいもんだな」
「私もこんなパパがいたら……こんな風にならなかったかな」
お互いにないものねだりだと分かっている。
それでも思ってしまう。
ゲンさんは娘さんが近くにいたならばと。
私は父がもっと私の事を考えてくれていたならばと。
思っても仕方がない事だと分かっていても、寂しい現実に戻らなければならない私たちは、今のこの瞬間を手離しがたかった。
食事が終わり、何も話さず公園に足を運んだ。
カップルが多い中、時間を惜しむかのようにゆっくりと歩く。
「喉がかわいたな。飲み物買ってくるから待ってろ」
ゲンさんはそれだけ告げると自販機のある方へ歩いて行き、私は言われた通り近くのベンチに座って待つことにした。
流れゆく雲をボーッと見ながらゲンさんを待っていた。
だけど私に声をかけてきたのはゲンさんじゃなく、私が良く知っている人。
会いたくなくて逃げ回っていたその人が目の前に現れた。