この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
光を求めて
第3章 ゲンさんとの出逢い
―…
――…
―――…
「何を考えてるんだ?」
ゲンさんが新しいカクテルを出しながら声をかけてくれば現実に引き戻される。
「う~ん、ゲンさんとの出会い?」
「出会いかぁ。まだ高校生だったよな。あれから何年だ?」
「今が24歳だから8年……あの頃は若かったなぁ~~」
しみじみと口にすると、ゲンさんにデコピンをされて睨まれた。
「24歳そこらで若かったとか言うな。それだったら俺はどうなるんだ」
ゲンさんの言葉に笑うと不貞腐れてしまった。
いい大人がと思うけど、そんなゲンさんも私は大好きだ。
「そんなにいじけないでよ」
「いじけてね~よ」
その言い方がいじけてるんだと言いたいけど、これ以上言うともっといじけてしまうからやめた。
「そういえばさ、あの時、私が急にいなくなって心配した?」
「あの時??」
「夏休み最後に出掛けたときだよ。公園で待ってろって言ったのに私、連れて帰られてさ」
私の言葉に、あ~と思い出したように声を上げた。