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光を求めて
第4章 自業自得
「このまま帰るのはつまんないなぁ~」
遊びに行く子たちをみていると自然と零れる言葉。
その言葉に反応したかのように背中を叩かれた。
「だったら僕と遊ぼうよ。お姉さん!!」
振り向くと、そこにはゲンさんの店にいた要注意人物の男が立っていた。
ニコニコと笑う顔が胡散臭くて警戒する。
「そんなに警戒しないでよ。僕、人畜無害だよ」
人懐っこい笑顔を向けられても先ほどの冷たい表情が頭から離れず、その笑顔さえ不気味だと思える。
ゲンさんに言われたからではなく、私自身もこの男は危険だと感じていた。
「ごめんなさい。あなたとはそういう関係になるつもりはないから」
はっきりと断りの言葉を伝えても彼の態度は変わらなかった。
「そんなはっきりと言われると僕、悲しいなぁ~~。お姉さんの言葉で傷ついちゃった」
少しシュンと落ち込んだ表情に心がチクリと痛み、悪い事を言ったかもと彼の演技に騙されそうになる。
だけど、私もそれなりの人生を歩んできたつもりだ。
あの時のように何も知らないお嬢様じゃない。