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光を求めて
第4章 自業自得
「傷つくような事は言っていないと思いますよ。はっきり言いますが、私はあなたに興味はありません。遊ぶつもりもないので関わらないでください」
普通の口調から冷たく敬語で話し、まったく関わるつもりはないと態度で示す。
大抵の男はこれで引いてくれていた。
けれど彼は違い、私の言葉に怒ったのか顔を歪ませ、私の手首を痛い程握りしめてきた。
「僕が優しい振りをするから調子にのってない?」
鋭い瞳で睨みつけられ威嚇する。
これが彼の本性……甘いマスクと巧みな話術で女性をその気にさせる。
「優しいフリをするから遊ばないんです。裏表がある人は嫌いですから。この手を離してもらえませんか?大声あげますよ」
手を引いて逃げようとしても、細身の割には力が強く振りほどくことができなかった。
じわじわとねじりあげられ、私の顔が苦悶にゆがむ。
「大声出されても痴話喧嘩としか思われないよ。ここってそういう場所だからね」
悔しいけど彼の言う通りだった。
どんなに声をあげても、夜の繁華街での小競り合いに目を止める人はいない。